こんにちは、アカナレッジです。
前回の投稿では、「序章:はじめる前に」という題目で、「堅実スイング投資」のスタイルを解説しました。
「共通目標」として、実際の資産状況を示し、堅実に+100万円を目指すモチベーションをお伝えしました。加えて、「注意事項」では、元本割れのリスクや国内銘柄に限定した取引など、投資スタイルの特性に基づく注意点を共有しました。
今回は、実務面のスタート地点です。株式投資に必要なツールで環境を構築します。
これから始める方向けの情報ですが、お付き合いください。
内容は下記の通りです。使用するアプリは楽天証券の「iSPEED」です。
コンテンツ
- 証券会社と口座開設
- 証券アプリの基本画面
- テクニカル分析用の画面設定
1.証券会社と口座開設
投資用の口座が必要ですので、証券会社のサイトから登録と申し込みを行います。
証券会社で口座を解説する手順はどこの会社でも同様です。
しかし、証券会社ごとにPC用・スマホ用の証券アプリは様々あります。
むしろ、使いやすいアプリを提供する証券会社を選ぶことができれば、ストレスなく日々の取引を行えるでしょう。
とはいえ、アプリの便利さだけでなく、セキュリティ面で信頼できる証券会社を選ぶことも重要です。
金融庁の監督を受けて運営されている証券会社であれば、セキュリティ面のアップデートが期待できます。
たとえば、楽天証券では、ログインパスワードのほか、二段階認証・取引暗証番号・ログイン通知の三重防御を採用しています。
もう1点、開設する口座の種類は「特定口座(源泉徴収あり)」が推奨されます。
株の売買益や配当には、所得税15.315%+住民税5%=合計20.315% の税金がかかります。
そこで、「特定口座」にしておけば、証券会社が利益から自動で税金を差し引いてくれます。
これにより確定申告が不要になるので楽です。
ただし損失を他の年の利益と相殺したい場合などは、あえて確定申告をすることで節税できます。
2.証券アプリの基本画面
アプリを開いたときに迷わないように、基本画面にざっと目を通してみます。

①ホーム画面
・ログイン後に最初に表示される画面
・日経平均株価、TOPIXなどの主要指数
・ニュース欄
市場全体の動きや個別銘柄に関する記事
ホーム画面はいわば、「相場の全体像」を確認する場所です。
『堅実スイング投資』では、国内株式ををメインで扱うので、日経225・日経225先物の動きは毎日確認します。
アプリを開く度に確認するといっても過言ではありません。
日経225は、「日本市場全体の方向性」をつかむ指標です。テレビでよく聞く、日経平均が上がったとか下がったとかはこの指標です。
この値は東京証券取引所の開場時間に連動します。
(前場:9:00~11:30、後場:12:30~15:00)
つまり、引け後(15時以降)は翌営業日まで更新されません。
毎平日、朝9時には張り付きます。
市場相場が上がるか/下がるか/キープするか、自身の予想と感覚にズレがないか確認しましょう。国内外の急な情勢変化で急落することも。
一方で、日経225先物は、大阪取引所に連動します。開場時間が異なります。
(日中取引:8:45〜15:15、夜間取引:16:30〜翌6:00)
先物は、日経225の時間外である、夜や早朝に確認します。
そのため、「翌日の寄付きの方向性」を事前に知るヒントになります。
そのほかのタブ画面は見た通りですので、ここでは画面のみ示して説明は割愛します。
わかりやすいアプリなので、「入金→注文→約定」がスマホだけで完結します。
特によく使う、「お気に入り」「検索」「資産・照会」のタブは今後の連載でもよく目にするでしょう。



3.テクニカル分析用の画面設定
テクニカル分析の指標を表示するために、アプリをカスタマイズする必要があります。
次の画像は、先のホーム画面から表示した日経225の日足チャートです。
左が初期状態、右が設定変更後です。


初期状態ではローソク足+移動平均線だけなので、ここから投資スタイルに合った指標を追加します。画面右上にある、 ⚙設定ボタンから次のように設定しましょう。


ボリンジャーバンド・RSI・MACDはすべてテクニカル指標で、株価の過去の動きから相場の方向性や過熱感、転換点を把握するために使います。
🔷ボリンジャーバンド
株価の標準偏差を利用して、価格の変動幅(ボラティリティ)を見る指標。
株価が平均からどれくらい離れているか、いわゆる価格の過熱感(高値圏/安値圏)を示す。
設定期間:デフォルトは25日など長め
🔷RSI(Relative Strength Index)
「買われすぎ」「売られすぎ」を0〜100の数値で示す指標。
過去14日間の短期的な値動きから上昇・下降の強さのバランスを評価する。
設定期間:デフォルトは14日(短期寄り)
🔷MACD(Moving Average Convergence Divergence)
短期と長期の差(MACDライン)とシグナル線で売買タイミングを探る。
中期的なトレンド把握や転換点を把握するのに使える。
設定期間:短期EMA12日・長期EMA26日・シグナル線9日が基本
ボリンジャーバンドは長期的な株価の変動幅を、MACDは中期的なトレンドと転換点を、RSIは直近の値動きの勢いを、把握するための指標です。これらを組み合わせることで、スイング投資に必要なトレンド・勢い・反転のサインを短中長期の総合的な視点から見ることができます。
日経255のチャートをもう一度見てください。
ローソク足の動きに合わせて、 ボリンジャーバンド・RSI・MACDが相対的に連動している
のが確認できるでしょうか?
よく見ると、動きが完全に一致するわけではありません。これは、各指標の感度・期間設定が違うためです。短・中・長期で参考にすべき指標が違うため、それぞれのすみ分けを理解し、使い分けることがポイントです。
〈ボリンジャーバンド・RSI・MACDの守備範囲リスト〉
| 指標 | トレンド | 勢い | 過熱感 |
|---|---|---|---|
| ボリンジャーバンド | ◎中期〜長期のトレンドの目安(バンドの傾き) | △(ある程度反応するが主目的ではない) | ◎ 株価が上限・下限バンドに近づくと過熱/売られすぎ感を示す |
| RSI | △ 中期トレンドの目安にもなるが短期寄り | ◎ 短期的な値動きの強弱を反映 | ◎ 買われすぎ(70%以上)、売られすぎ(30%以下)の判断に最適 |
| MACD | ◎ 中期トレンドの方向と転換点を把握 | △ 短期の勢いにはやや鈍感 | △ 過熱感は直接示さない(転換の参考にはなる) |
それぞれの守備範囲を理解して組み合わせると、「堅実スイング投資」に必要な情報を総合的に捉えやすくなります。
実際に株取引を開始すると、毎日目にすることになるので、少しずつ各指標のクセを理解するのがよいでしょう。百聞は一見に如かず。
ーおわりに
ここまでご覧いただきありがとうございます。
堅実スイング投資の準備はできましたか?
今回、ツールの設定を行い、各指標の意味合いまで一気に解説しました。
とはいえ、未だ座学の段階です。具体的な使いどころについては今後の連載で紹介します。
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